■20110511【雑感】東日本大震災現地調査を終えての感想

「今は希望がほしい」

被災地を訪問した際、
ある避難所の代表者から聞いた言葉だ。

この言葉には2つの意味があると受け止めた。

一つは。

家はおろか、地域が根こそぎ剥がされ、
破壊され壊滅的な街並みを目の前にし、
絶望的な気持ちになっている現実を表したもの。

もう一つ。

被災から約50日。

ようやく生きながらえることから、
「どう生活を立て直すか」、
ということに被災者の関心が移り始めたこと。

再出発の兆候が表れ始めたこととして捉えたい。

この避難所。

今回の5月4日から3日間の現地調査において、
一番最初に訪問した場所であった。

この行程の間、
その「絶望」と「再出発の兆候」が、
私の頭の中で常に交錯していた。

正直に言えば、
前者の方がやや上回っている。

どの場所に行っても、
被災地はまだまだ瓦礫の撤去が始まったばかり。

酷いところは道路の確保が精いっぱいで、
そのまま水が引いただけ、
「災害直後」が今も続いている、
という印象の場所も少なくなかった。

50日が経過しても、
まだこうした状況であったことは、
ある種、衝撃的だった。

そこに根付いて暮らす人々が、
時間をかけ、代々造り上げてきた街並み。

これが一瞬の災難で消滅するがごとく、
破壊されてしまったのだ。

「人間は自然にはかなわない…」
何度も思い知らされた。

自然を征服しよう、
コントロールしようなどという考えは、
持つべきではない、と考えた。

と、同時に「自然との調和」
という視点に立つことや、
歴史に学ぶことの必要性も改めて認識した。

被災地から帰宅し、一週間を経て、
この文章を記している今でも、
なかなか断定的に物事を考えられない。

この光景を思い出しながら、
この気持ちの整理をしている。

ただ。

訪問先の人々の明るい顔や、
雇用、住宅など生活再建を求める声を聞くにつけ、
確実に人々は再出発を始めている。

塩釜の市場では徐々に戻ってきている活気に、
気持ちを高ぶらせている
女将さん、オヤジさんの姿も見られた。

結局、人々の自らの意志によってしか、
再出発はあり得ないのだろう。

その兆候が見られたのは、
何よりの救いだった。

完全に消化し整理できたわけではないが、
この経験は、持ち場であるさいたま市政において、
最大限還元していきたい、と考えている。

いずれ発生が想定されている
直下型地震、都内直下型地震などの
さいたま市に関わる災害に備えるためにも。

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