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■20101231【雑感】ある若き農業者の主張

年末も押し迫った日に行なわれたある会合。

お酒も手伝ってか、
参加者の気持ちも大きくなり、
和やかな雰囲気でそれぞれの近況報告が続く。

そして。

そろそろ約30人全員が交代で壇上に立つ、
という終盤に彼は登場した。

彼は20代中盤。

意欲を失い高校中退。
人生に悩み、流れ流れて東南アジアまで行ってきた。

その後、彼は様々な人との出会いを通じ、
今、心を開いて自らの主張を、
堂々と披露するまでに頼もしくなった。

その彼の主張。

「故郷の宮城に帰り、
 親父の後を継いで農家になります」

実家は米作農家。

その環境が嫌で飛び出したはずなのに、
結果的には、
親元を自己実現の場とすることとなった。

彼の主張は、農業の自由化にも及ぶ。

「守られている農業ではだめです。
 これからは自由化を見据えて
 自分の力でやっていかなければ」

と、すかさず。

「自由化はだめだ!」
端の方から、高齢の古い闘士のヤジが飛ぶ。

日本の農業に大きな打撃を与える、
という趣旨である。

その高齢の闘士の、
全共闘時代を思わせる大きな声に、
和やかな空気が一変。

酔いも醒めるほど会場は静まり返った。
固唾を飲んで若き農業者の対応を待つ。

今の日本の若者像では、
「草食系」という言葉に象徴されてしまうように、
ここでストップしてしまうのが常である。

うすら笑いを浮かべて、
もしくは困惑して誰かの助けを待つのが、
最近の若者の風潮だ。

が、しかし。

この若き農業者は、ひるまない。

毅然とした態度で、強い口調で、
目をひんむいて闘士に向かって言った。

「守られてはだめなんです。
 自由化は大いに結構」

世界に打って出なければならない。
将来のことを考えれば、
農家は戸別補償などに頼らずに
自分たちでやらなければならない。

そんな言葉を力強く放った。

割れんばかりの拍手。

高齢の闘士も彼の堂々たる態度に、
「あなたのような人がいれば大丈夫だ」
とお墨付きを与えた。

まるで自由民権運動の演説のようだ。
(見たことはないが…)

私も含め、政策関係者こそ、
こうした想いをくみ取るべきだろう。
こうした若手農業者がいるのである。
助けてほしいという人ばかりではない。

農業者に限らない。
若くして気迫に満ちた人たちが無数にいる。

もっとこうした人たちが浮かび上がり、
活躍することにより築かれる社会を展望したい。

そして、少なくとも、
こうした人たちの邪魔をしない社会としたい。

新しい日本の将来の兆しを、
この小さな会合で目の当たりにした。

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■20101216【雑感】「高校生の意識『将来は公務員』が1位」から

「高校生、受験より就職が不安=一番人気は『公務員』」

新聞の見出しに目が止まった。
電通総研による高校生への意識調査の結果である。

高校生の不安は、
将来の就職について向けられており、
目の前の「大学受験」をも上回ったという。

高校生が公務員志望…。

公への志によって選択されている、
というわけではないようで、
安定志向の現れのようだ。

ところで。

先日インターンの大学生を受け入れた際。

別の教授から、計2名の学生を預かった。

それぞれ示し合わせたかのように
「公務員志望です」

「そうですか…」
その時私は、相槌を打っただけだった。

しばらくして、私に同行して、
埼玉県の経営者たちの勉強会に学生らが参加した。

彼らにとっては、
ナマの会社に接したのは、
そこが初めてだったのだろう。

「民間も受けてみたいと思います」
との言葉に変わり、
いまや「まずは民間に行って、
 その後に公務員を目指せたらと思います」
と変化を遂げてきたことから、
彼らの衝撃は伝わってきた。

狭い世界の話だが、
この一つの事例をもってして、
彼らには、体験や経験、
自らの曇りのない眼で民間の会社を見たり、
会社で汗を流す生身の人間と接する経験、機会が、
決定的に欠落している、
と強く確信している。

先日の高校生議会では、
農業実習の実施を求める高校生は多かったし、
福祉現場での実習を経験して、
そのままそこを就労の場とした
若者の話も多数聞いている。

冒頭の調査結果は、
その経験の無さ、体験する機会の少なさが
表面化している数字ととらえたい。

若さの特権は挑戦することにあると思うが、
その選択肢を得る機会を持てないまま、
高校生、大学生になる若者が多いのかもしれない。

この責任の所在は、
若者への苦言を呈するというよりは、
私たち大人の側が、
そうした機会を若者たちに作ってきていないことに、
向けられるべきだろう。

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■20101130【写報】インターン学生のレポート「テクニカルブランド認証事業」

夏から折に触れて、
私の活動に付き添ってきた
インターン学生のレポートを
下記に記します。
うまくまとまっていますので、
ご参照ください。

彼は大学3年生。

当初は公務員志望だったのが、
この間の活動を通じて、
企業への就職にも興味を抱いたようです。

★★★★★★★★

さいたま市の企業支援を調べていく中で、さいたま市テクニカルブランドに特に興味を持ちました。その理由は、市内の企業のブランド化を通じて、さいたま市の産業活性化やイメージアップを目的としている点です。産業の活性化は、企業発展や雇用創出を促し、財政の安定につながり、市民が十分な行政サービスを受けることができると考えました。しかし、いくつか疑問や質問があり、土井さんにお願いして、さいたま市の職員にヒアリングを行う機会を作ってもらいました。ヒアリングをした中で、印象に残っている質問が2つあります。

1つ目は、国や県が様々な支援をしている現状で、市が行う必要性は何かということ聞いた問いに対して、職員の方は、市民の生の声を政策に反映できるとおっしゃったことです。実際に国と県と比べて、企業の方と接する機会が多く、直接話すことでその企業について知ることができ、またどのような支援を必要としているかなどたくさんの気づきがあるそうです。そして、国・県や市の企業支援は、それぞれが代用可能な代替関係ではなく、補完関係です。そして国や県の支援事業に対して、さいたま市が市内の企業にその支援が受けられるように手助けを行っているそうです。つまり、行政の企業支援は、国・県や市によって役割が異なっており、市では実際に働く方と密接な関係であることで、生の現場の声を政策に反映できる優位性があります。

2つ目は、さいたま市テクニカルブランド事業を行ったことで、どのような成果が上がったのかという質問をしました。まだ認証が始まって間もないこととテクニカルブランド事業だけによる効果ということが確実に言えることができないため具体的な数字を挙げることができないものの、独自の研究所を所有している他の政令指定都市と比べ、予算が少ない中で同等以上の成果があるそうです。そもそも、政令市になる以前の企業支援といえば、商店街の活性化やお祭りの支援くらいだったそうです。このような状況で、企業支援を行う際に、市職員よりも専門家に任せた方が良いということで、その仕組みとしてテクニカルブランド事業を始めたそうです。

テクニカルブランド事業では、専門家が市内の企業を認証する際に、様々なアプローチから企業を調べ、認証に値する技術や将来性があるかなどを判断します。そこで、落選してしまった企業でも、専門家が独自でアフターケアを行います。その中で、ある企業が専門家に指摘されたところを改善し、再チャレンジをして認証された企業もありました。

また、認証された企業同士で交流する機会も設けてあります。交流により大企業と中小企業とが共同してプロジェクトを進行している例もあります。他にも、認証された中小企業でさいたま市による評価を受けたことで、採用希望者が増え、人材確保にも繋がっているそうです。テクニカルブランドに認証されることで、規模や業種の枠を超えた交流が可能になり、また技術のある中小企業が人材を確保しやすくなります。

今回の職員ヒアリングで、市の企業支援は、国・県の支援とは異なり、市だから可能である、企業の方と密着度の高い支援であることがわかりました。また、さいたま市テクニカルブランド事業では、大企業と中小企業が交流し、共同したプロジェクトが進んでいる例もあることを知ることができました。

今後は、さいたま市が進めている低炭素社会実現を目指した電気自動車のプロジェクトやユニバーサルデザイン(すべての人が暮らしやすいまちづくり)の実現ための福祉、交通、建築物の分野での企業間交流を促す特別枠を設けて認証することが望ましいと考えました。これにより、さいたま市の企業活性化に加えて、地球にやさしい暮らしやすいまちの実現を目指す様々なプロジェクトとのリンクすることで、さいたま市が、県内だけでなく、日本全国の市を引っ張っていける存在になると考えました。

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■20100720〈雑感〉経済成長という薬

「生活保護の申請件数が急増している」というニュース。

そして「ニートが増えている」というニュース。

一見、別の分野で検討されている課題だが、
実は同根であるといっても過言ではない。

その根には「雇用の機会がない」という現象がある。

「仕事さえあれば、生活保護の申請をしなくて済むのに」
私が聞いた年配女性の言葉である。

仕事で稼げれば自立できる人は、
どれだけいるだろう。

雇用の機会があれば、
生活保護受給者数も確実に減り、
税で投じられている生活保護費も減少する。

就職氷河期、といわれた約10年前。

ニートと呼ばれる、就職をしない若者の生態が、
社会問題として取り上げられた。

若者への感情的な物言いが多かったが、
この現象も元をたどれば、
雇用の場が減少したことに起因している。

いったん家にこもってしまえば、
再び社会に出ることは、
メンタルの面で難しい。

これを単に「甘え」とし、
感情論で片づけてしまっても、
解決には結びつかないのだ。

今、その時よりも深刻だといわれる中、
「中卒『ニート』761人」とのニュースもあった(埼玉新聞・7月20日)。
埼玉県の教育局の調査だそうだ。

心配は募る。

90年代後半の森首相までの公共事業による国の借金の急増。

これもまた、雇用を確保する意味合いが
強いものだといえるだろう。

この方法がいいとは思えないが、
現実として、特に地方に行けばいくほど、
雇用の場が無く、
公の分野で税により資金を調達して、
仕事を作る方法がとられてきたものだ。

逆の面からの事例では、
ニューヨークの犯罪の数についての話が象徴的だ。

ジュリアー二市長の時代に、
犯罪数が激減した。

このとき「割れ窓理論」が注目された。

大きな犯罪の前に窓を割る行為などの小さな犯罪がある。
この小さな犯罪を見過ごさない、
という取り組みだ。

この取り組みも決して過小評価するわけではないが、
実質的に犯罪を減らすことに貢献したのは、
ニューヨークの好景気による雇用機会の増大だった。

こうして数々の減少を見てくると。

様々な分野で課題とされていることの解決に向けて、
「雇用」というキーワードが浮かび上がってくる。

企業も好き好んで雇用の機会を
減らしているわけではないだろう。

自らの会社の存続のために、
人件費を削減しているのだ。

日本の社会全体の景気の動向により、
儲けがなかなか上がらないからである。

景気の問題が改善すれば、
雇用の問題が解決に向かい、
各種の課題も改善されてくる。

言葉で言うほど簡単ではないのだろうが、
この方法が最も説得力のある方法だ。

税収不足の問題も、
やはり景気の動向と密接な関係がある。

ここで経済成長戦略の話となる。

いま日本が置かれた環境は、
決して簡単ではない。

右肩上がり経済を支えてきたモデル、
つまり日本を世界的な経済大国に押し上げたモデルは、
日本社会の成熟とともに
社会主義圏の国々が自由経済に参入した事により、
弱点となっていった。

中国は安い人件費で商品を作るから、
その商品に対抗するために日本企業の商品も安くする。

「輸入デフレ」と呼ばれる現象だ。

内需の拡大という、古くて新しいテーマに、
現政権が挑戦し、新たな時代の道筋を
つけることができるのか注目したい。

何より、ここで言いたいのは、
数々の問題の解決に向けて、
経済成長が薬となる、ということである。

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■20100619〈写報〉クリの家総会、講演会

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クリの家。15-20歳の若者たちの自立を支援する自立援助ホーム。NPO
により運営されています。この総会でも、数多くの事件が報告されるなど、若者のおかれた今の難しさと職員の方々の献身的な取り組みを実感。

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