昨年4月の選挙時に「提案」することをお約束した項目ごとに、現状や今後の課題などを記しています。マニフェストが取り上げられるようになりましたが、政治家は政策内容で選択されるべきであり、その意味では私自身も問われています。ぜひ参考にしてください。

政策決定の主体の行政主導からの転換

【現状と取組状況・今後の課題】
●約一年間、さいたま市を見てきたが、以前にくらべ、区民会議やパブリックコメントなどに見られるように、市民に立案過程に関わってもらうような仕組みづくりに向けて努力している点は評価したい。●ただ、より一層これを拡充するスピードを速めることと、関与する市民の責任を明確にする点は今後の課題だ。行政は決定する主体である議会や市民の補完に徹するという役割分担を前提にした姿勢が必要。●そのために透明性・説明責任を徹底すべき。市長が著作『理想都市への挑戦』で述べている「情報の共有」は、公開・提供を経てのものであって、まずはそちらの充実を急がねばならない。とくに市のHP(ホームページ)を活用した情報提供は最優先課題として取り組むよう、9月議会での一般質問や2月議会での予算特別委員会での「無所属の会」の質問で求めている。●6月議会では「補完性の原理」について市の姿勢を聞く。これは個人を尊重し、自治体行政はその補完に徹する、そして国はそれらのできないことを補う、という考え方であり、ヨーロッパに端を発し、世界全体の共通認識となりつつある。個人の身近な所でものごとの決定をすることを前提とする。市はこれについて理解しており、いずれはこの理念に基づいて構造の変革につなげていくものと思うが、議員としても積極的にはたらきかけていきたい。

議会の改革

【現状と取組状況・今後の課題】
●さいたま市議会は昨年から「議会改革」の議論を深め、2月議会より新しい方式での議会運営をスタートさせた。予算特別委員会では一問一答方式の導入で、行政機関との緊張感あるやり取りが見られるなど、一定の成果が上がっている。しかし、今回の改革はあくまでも「政令市」に対応した改革であり、地方分権時代に対応する根本的な改革には着手できていないと思われる。たとえば、議会のあり方についての基本理念の策定や、市民の信頼回復を進めるための透明性の確保、政策立案のための体制確保などである。今後はこの点を中心に議会内での働きかけを心がけていきたい。●議員の行政内審議会への参加は、議会の独立性の観点から好ましくなく、6月議会では一般質問を行なったが、議会内ではこれについて議論を進めており、近日中に整理される模様。●すぐには困難だが、外国で見られるような公聴会中心の議会(委員会)運営をイメージしている。住民の代表機関として側面をより拡充する必要がある。●地方分権の流れの中で、議会は行政に依存せず、原理原則である「自治体の意思決定機関」「住民の代表機関」としての側面に立ち返り、主体性を確立すべき。行政機関との関係性をもう一度振り返るとともに、これまでの既成概念にとらわれない議会運営を含めた活発な議論を促していきたい。

議員・行政職員の人件費の削減

【現状と取組状況・今後の課題】
●結論から言えば、議員も職員も約5年間、報酬・給与・期末手当を継続して削減している。この点は評価できる。●ただ、大切なのは「誰が」それを決定し、「どんな」削減をしているのかだ。単に削減をするということでは職員の士気が低下し、行政運営にマイナスの影響がでる可能性があるし、一方で時代にそぐわない「手当」や「昇給」などがいまだに残されている。これまでの削減はあくまで「暫定的」なもの。そのため、12月議会では退職手当の見直しも含め、抜本的な給与政策の見直しを提案した。「検討する」とのことであった。●議員の報酬等については、行政内に設置された「報酬審議会」の議論を経て、平成16年度中に決定される模様。審議会の「答申」後、市長から議会へ議案が提案される。政令市に限らず、他市との比較でもさいたま市議会の報酬等は高いほうではない。しかし、時代の状況から値上げは「ありえない」と考えており、私自身は議会への提案時に態度を明確にしたい。●職員人件費は、「人事委員会」の勧告を重視して人事担当が立案して議会が決定しているが、この勧告は国の機関である「人事院」の影響を大きく受けている。2月議会の総務委員会において、地方分権の趣旨を踏まえ、人事委員会に対し、自らの主体性の確立を促す質問をした。さいたま市にはさいたま市独自の人事制度・給与制度があっていいはずであり、今後の取り組みが注目される。●報酬・給与等について、持続可能な自治運営に向けてサービスの削減や公費負担増額など、市民に協力をお願いするため、市が独自に見直し、まずは率先して議員や行政職員が身を削る姿勢を示す必要がある。目の前に迫った「少子高齢化」時代の到来により、高齢者層の増加にともなう「保健・福祉費等の増大」と、労働人口の急激な減少にともなう「税収減」が同時にやってくる。さいたま市民のサービスは削減され、市民の税金等の公費負担増は避けられないだろう。その時に市民に「その決定や立案をしている議員や職員は、どうなのか」と今以上に問われることとなる。この声にきちんと応えられる準備を今から行なわなければならない。

地方分権を推進するさいたま市に

【現状と取組状況・今後の課題】
●地方分権は、中央官僚が国会や地方自治体に強い影響力を行使し、全国どの地域も画一的な環境になってきたこれまでの体制を転換し、地域それぞれの状況や環境に応じて、自治体が自己決定・自己責任を果たすことのできる体制づくりを目的にしている。自治体は「破綻する自由を得た」と言い換えることもできる。真の分権が進むには、権限委譲元の中央が自らの関与を縮小するとともに、移譲先の自治体が主体性を持って自治体運営に臨むことが必要とされる。さいたま市行政には、「ファースト1」「オンリー1」の取り組みを果敢に実施していく点を求めたい。●2月議会で市長の施政方針演説では、「国に対しても言うべきことは言う」という画期的な文言が入った。この姿勢を全庁的な雰囲気にまで押し上げるべきだ。●さいたま市の政策立案は、さいたま市の実情に合わせて行なっていくべき。国や県の意向はあくまで参考であり、より一層の独自性が必要。市行政の姿勢は、政令市スタート時からの区民会議の設置や、土地開発基金の廃止など、さいたま市が独自に行なっている点もあるが、マクロの視点で見れば、「他政令市への平準化」が当面の目標であると見える。この点は否定するものではないが、地方分権の推進につながる新しい自治体のあり方を提示できるさいたま市の実現にむけて活動をしていきたい。

その他、市政に関すること全般

【現状と取組状況・今後の課題】
●行政の役割はその地域の状況に対応し、行政がすべきことを行なっていくことであり、対応のスピードと中身が問われている。場合によっては、事業の廃止・縮減や新規事業への挑戦など、積極性が求められる。●9・12月議会では、急増する犯罪状況についての問題意識から、防犯対策に特化した所管の設置等を含め、対策の拡充を求めた。「検討する」との答えだが、いまだ抜本的解決には至っていない。県警や防犯協会任せではなく、市には市としてすべき情報の集約・発信など市民への安心感の提供という重要な役割があり、継続して求めていきたい。●合併については、すでに協議がはじまっている。岩槻市からの要請であること、編入合併であることなど、さいたま市としての主体的な議論にはなりにくい状況にある。「無所属の会」では3市合併の際の積み残しである「市民の意向確認」をたびたび求めている。いずれにしても今年中に決着がつくため、議員として責任ある判断を心がけたい。
(2004年3月9日現在)